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VISAデビット決済の商品を返品すると、返金にはどのくらいの期間かかるのでしょうか。
インターネット通販で買い物をすると、支払い方法にはクレジットカード払い、代引き、銀行振り込みなど様々な方法がありますが、おそらく手間や手数料が必要でない方法をまず選ぶのではないでしょうか。最も一般的な方法はクレジットカード決済だと思いますが、近年クレジットカードと同様によく利用されるのが「VISAデビットカード」でしょう。

VISAデビットとは

「VISAデビット」とはVISAのクレジットカード決済システムをそのまま利用できるデビットカードのことです。店舗（と決済システム）からはクレジットカードにしか見えませんが実際はデビットカードで、VISAデビット利用と同時に登録した銀行口座から代金が引き落とされる仕組みになっています。一部の店舗では利用できなかったり、分割払いが利用できないなどの違いはありますが、多くの店舗でクレジットカードと同様に利用できます。ですからクレジットカードを持ちたくないとか、何らかの事情でクレジットカードを持ってないという場合に、クレジットカードと同じように様々な場所で利用することができる便利なカードです。

VISAデビット利用の注意点について
所持しているとなかなか便利なVISAデビットですが、インターネット通販で利用するときには、気をつけておきたいポイントがあります。見た目も利用方法もクレジットカードとほとんど変わらないVISAデビットですが、実際はあくまでデビットカードですので、利用時に即座に銀行口座からお金が引き落とされます。ネット通販の場合、この“利用時”とは基本的に注文時点ですので、商品が実際に届くまでは「先払い」になっているということです。
もちろん、このまま普通にVISAデビットでの取引が成立すれ特に問題はありません。しばらくすれば商品は届きますし、数日の間支払いが前払いになっているというだけのことです。
VISAデビットの利用で問題になるのは、注文の変更やキャンセルがあった場合で、このときVISAデビットを使用していると「売買が成立していないのに代金だけ引かれてしまう」という状態になってしまいます。もちろんこの銀行口座から引き落とされたお金は店側に渡っているわけではなく、単に決済処理上の関係から「宙に浮いてしまっている」だけですが、現実には利用者の銀行口座からはお金が減っています。これがかなり頻繁に店と客との間でトラブル原因になっていて「VISAデビットの使用をすすめない」という注意書きをしている店舗もあります。
また単に代金が先に引き落とされるだけではなく、返金処理が遅いこともトラブルの原因の一つのようです。VISAデビットの返金処理には最短でも数日、最長では45～60日程度（カード発行会社によって違う）かかるとのことですので、もし「高額商品を注文後キャンセルしたが、返金処理は最長で2ヶ月かかる」とすると、さすがに心配になる人も多いでしょう。

VISAデビットの決済方法の仕組みについて

VISAデビットではなぜ「まだ購入していない商品の代金まで支払ってしまうのか」その決済方法の仕組みについて簡単に整理してみましょう。
通常クレジットカード決済では「オーソリゼーション」と呼ばれるクレジットカードの有効性の確認と、信用枠の確保がまずおこなわれます。具体的にはクレジットカードが実際に使えるかどうかをチェックし、クレジットカードが利用できるなら設定されている与信枠（利用限度額）の中から店舗が代金の金額を確保しておきます。この時点では「利用枠」が確保されるだけで、金銭的な移動は一切ありません。その後、実際に利用金額が確定してから利用者に請求され、クレジットカード引き落とし銀行口座から代金が引かれる、というのが一般的なクレジットカードの支払いの流れです。客側からみれば代金は「後払い」であり、通販であれば店舗は与信枠を担保にして商品を先に発送するということになります。
VISAデビットの場合、上述の有効性確認の「オーソリゼーション」の段階で、銀行口座から代金が引き落とされます。「口座残高＝利用可能額」ですので仕方がないことなのですが、そのため決済前の注文段階で銀行口座残高が減ってしまうため、トラブルの原因となっています。クレジットカードであれば「キャンセルすれば売買は確定せず、代金は引き落とされない」のですが、VISAデビットでは逆に「売買は確定しなくても、代金だけ引き落とされる」という状態になってしまうというわけです。

VISAデビットの返金が遅くなる理由について

VISAデビットの返金が相当に遅くなる問題も、この「オーソリゼーション」がその原因になっています。前述のとおり通常のクレジットカードの「オーソリゼーション」はクレジットカードの信用枠が確保されるだけですので、実際に売り上げが確定しない限り金銭の移動は発生しません。そのため客側の不利益になることが少ないので、一部の店舗では、取引がキャンセルされてもオーソリゼーションの取り消し処理をおこなわず、クレジットカード発行会社が期限切れで自動取り消しするまで放置していることがあります。その結果としてクレジットカードの決済システムを利用して即座に決済されるVISAデビットでは、その間買っていない商品の代金が「オーソリゼーションで確保されたまま」になっているので、それが返金の遅れに繋がってしまうというわけです。

VISAデビットの返金について:各金融機関より

以下、おもなVISAデビットの返金処理について各金融機関のQ&Aをみていきましょう。

JNB Visaデビット（ジャパンネット銀行）
Q:購入をキャンセルすると、お金はどうなるの？
A:口座から代金が引き落としされた後に、お客さまが購入をキャンセルされた場合、お客さまの口座へ代金が返金されます。
ジャパンネット銀行は、ショップから届くキャンセル情報を確認後、即時または原則翌営業日までにお客さまの口座にご返金します。返金されるまでの日数は、ショップが返金処理に要する日数により異なります。

楽天銀行デビットカード（楽天銀行）
Q:デビットカードを利用して購入した商品をキャンセルしたら、いつ口座に返金されますか？
A:デビットカードを利用して購入した商品をキャンセルされた場合、楽天銀行では加盟店から届くキャンセル情報を確認後、お客さまの口座に返金します。
ご返金には、ご利用の店舗から楽天銀行に取消・返品情報が到着することが必要です。
返品や注文の取消しまでに要する日数やご利用の店舗からの楽天銀行への連絡（伝票処理）によって、返金のタイミングや、所要日数が異なります。

スルガVISAデビットカード（スルガ銀行）
Q:返金が遅いのですが？商品をキャンセルしたのに、口座からお金が引き落とされたままですが、返金はいつですか？
A:お買物の取り消しを確認後、即時または２営業日後までに口座に返金させていただきますが、加盟店からの取消・返品データに基づいて返金しておりますので、データの到着が遅い場合、取り消しの確認ができないため返金が遅くなることがあります。

まとめ

VISAデビットカードのメリットは「クレジットカードではないのに、クレジットカードとほぼ同様に利用できる」というところにありあす。これはクレジットカードと同じ決済システムを使っているからこそできることで、逆にキャンセルや返金時のトラブルもこれが原因となっています。VISAデビットの返金処理について各金融機関のQ&Aをみると、店舗が適切にキャンセル処理をおこなう限りは返金までにかかる時間も短いですし問題はないと思われますが、気にする人も多いでしょう。VISAデビットの返金処理には最短でも数日、最長では45～60日程度（デビットカード発行会社によって違う）かかる場合もありますので、高額商品はやはりクレジットカードで買った方が安心できるのではないでしょうか。