クレジットカードを作れない人とは、どんな人でしょうか。
クレジットカードを作れない人とは、クレジットカードを作ろうと思いクレジットカード会社に申し込みをしたけれども、クレジットカードの審査に通過することができず、結果クレジットカードが作れない、ということです。
では、なぜクレジットカードの審査に通らないのでしょうか?
クレジットカードの審査に通らない理由について
クレジットカードの審査に通らない場合、考えられる理由は、おもに次の3つです。
①クレジットカードの申込者の属性(年収、勤続年数など)がクレジットカードの発行基準に達していない
②個人信用情報機関に登録されている内容のなかに「事故情報(ブラック)」がある
③個人信用情報機関にクレジットカードやローンの利用履歴が全く存在していない
それでは①~③について詳しくみていくと同時に、それぞれの対処法も考えてみましょう。
①「クレジットカードの申込者の属性(年収、勤続年数など)がクレジットカードの発行基準に達していない」とは
クレジットカードの申込者の属性(年収、勤務年数など)がクレジットカードの発行基準に達していないことを、「属性が弱い」と言い換えることもあります。
クレジットカードカード会社が重要視する属性には、年収、勤続年数、居住年数、雇用形態(勤務先の企業規模も含む)があります。
次の場合はどうでしょうか。
契約社員で年収200万円、勤続2ヵ月、賃貸アパートでの居住6ヵ月、携帯電話のみの使用で固定電話なし
この人の場合は、 「安定性が低い」なおかつ「返済能力が低い」とみなされやすく、クレジットカードを作れない可能性が高いでしょう。
クレジットカードを作るためには、勤続年数、居住年数、年収といったクレジットカードの審査時に重視される項目を中心にして、属性を全体的に高めていくことが必要です。
②「個人信用情報機関に登録されている内容のなかに「事故情報(ブラック)」がある」とは
ここでいう事故情報(ブラック)とは、支払いの遅延や滞納、多重債務、自己破産などのことです。
個人信用情報機関に俗にブラックと呼ばれる事故情報がある場合、クレジットカードの審査に通らない条件のなかで、最も厳しいものです。
各クレジットカード会社には、審査通過に関するいくつかのガイドラインをが設定されています。そしてそのガイドラインの中には「ブラック情報が存在する人には、クレジットカードを発行しない」という内容のものもあるので、この「個人信用情報機関にブラックと呼ばれる事故情報がある」ことが理由で審査に通らなかった場合には、今回はクレジットカードの審査通過を諦めなければならないと考えても良いでしょう。
「個人信用情報機関に俗にブラックと呼ばれる事故情報がある場合」は、個人信用情報機関に登録されているクレジットカードの申込者本人の不利益な情報(支払いの遅延や滞納、多重債務、自己破産など)が消されるのを待ってから、クレジットカードの再申込をするというのがよいでしょう。
クレジットカードの審査に落ちると、別のクレジットカード会社ならばクレジットカードの審査に通るのではないかと思って、短期間のうちに数々のクレジットカードに再申し込みをする人がいます。短期間の間に複数のクレジットカード会社にクレジットカードを申し込むことは、絶対にやめましょう。
なぜなら「何度もクレジットカードの申し込みをしている=怪しい申込者」というようにとられて、本人の属性が不利になってしまうこともあります。また、クレジットカードの申込履歴は個人信用情報機関に登録されます。個人信用情報機関に登録された内容は、どのクレジットカード会社でも確認することができますので、違うクレジットカード会社に申し込むのだから分からないだろう、ということにはなりません。
余談ですが「ブラックリスト」というリストは、実はありません。クレジットカード業界で、個人信用情報機関に事故情報(延滞情報など)が登録されている状態を「ブラック」と呼んでいるということです。
③「個人信用情報機関にクレジットカードやローンの利用履歴が全く存在していない」とは
個人信用情報機関にクレジットカードやローンの利用履歴が全く存在していないとは、「現金主義で、これまで一度もクレジットカードを作ったことも、利用したこともなく、全ての物を現金で買っている」という人です。
仮にこの人をAさんとしましょうか。
クレジットカードの審査の際にチェックされる個人信用情報機関は、過去に1度でもクレジットカードやローンを利用したことのある人の履歴は登録されるシステムとなっています。ですが、これまで全くクレジットカードの利用経験がない人は「個人の情報が登録されていない」という状態にあります。この「個人の情報が登録されていない」状態とは、過去に金融事故を起こし、そのデータが抹消されたばかりのブラックだった人と同じデータということになります。
現金主義で一度もクレジットカードを作ったことのないAさんは、クレジットカードの申し込みの属性に特に問題がなくても、クレジットカード会社側の見方は、履歴が何もないAさんは「怪しい」となってしまします。
Aさんに限らず他のクレジットカードの申込者に関しても、その人の支払い能力や信用度は、クレジットカードの申込書の内容をチェックするだけでは「判断しきれない」ことがあるのです。
例えば、次の2人のひとのうち、どちらの人を信用できるでしょうか?
「以前5万円を貸して、期日に返済した友人のBさん」
「2万円貸して、と頼みにきた友人Cさんは、今回初めての相談だった」
Bさんには返済したという実績がありますが、Cさんには返済の実績がありません。このことから、「返済されないリスク」を想定すると、返済実績のないCさんの方がリスクが大きいと考えられるということです。
お金を貸す側からすれば「お金を貸していいものかどうか不安を感じる」と思うのは仕方がないことだといえるでしょう。
ですからクレジットカードやローンの履歴や返済情報がないという理由でクレジットカードが作れない可能性がある方は、今後ローンを組む場合は返済の遅延や延滞をしないように気をつけましょう。
例えば、スマートフォンを家電量販店で分割払い(割賦購入)で購入した場合などは、支払いの滞納はくれぐれもしないように気を付けましょう。ローンの分割払いの滞納履歴が個人信用情報機関に5年ものあいだ事故情報(ブラック)として記録が残ります。ですから期日までに必ず支払いましょう。
この事故情報は、クレジットカードの審査のみでなく住宅ローンの審査などにも影響が出ます。たかが携帯の支払いと思わないで下さい。
個人信用情報機関に履歴がなく、クレジットカードを申し込もうと思っているのであれば、まず取り組まなければならないことは、「クレジットカードの審査に通りやすい状況を作り、発行されたクレジットカードを利用し実績と信用を個人信用情報機関に残していく」ということです。
クレジットカードの審査に通りやすい状況をつくる一つの手として、クレジットカードの申込書に記入する「キャッシングの利用可能枠」の欄に0~5万円くらいの低めの金額を書くという方法もあります
「クレジットヒストリー(クレヒス)」と呼ばれるクレジットカードの利用履歴は、小さな努力の繰り返しによって積み上げられていくものです。そして積み上げられたクレジットヒストリーが自身の経済的信用になります。
クレジットカードをはじめて作るときには
クレジットカードを今まで一度も作ったことがない人がクレジットカードを作る場合には、クレジットヒストリーの積み上げの土台となるクレジットカードですので慎重に選ぶことを心がけて下さい。
前述のように、自身のクレジットヒストリーが何もない状態では「今すぐクレジットカードが欲しい!」と思ってクレジットカードの申し込みをしても、クレジットカードの審査に通る確率は、決して高くはないでしょう。クレジットカードの申し込み者がどんなに属性が高くても、信用や実績を確認できない場合はステータス性のあるクレジットカードや知名度の高いクレジットカードを持つことは難しいです。
ですから、最初の1枚であるクレジットカードは慎重に選び、良いクレジットヒストリーを積み上げる努力をしましょう。
この記事へのコメントはありません。