ANAカードを利用すると「プレミアムポイント」というポイントが貯まりますが、この「プレミアムポイント」とはどんなものでしょうか。ANAマイルと何が違うのでしょう。今回はANAカードの利用で貯まる「プレミアムポイント」とANAマイルの違いについて詳しくみていきましょう。
ANAマイレージ(マイル)とは
まずはお馴染みのANAマイルからみていきたいと思います。
マイルとは、航空会社が顧客に付与するポイントのことです。ANA(全日空)のポイントであるANAマイルの他にも、JAL(日本航空)のJALマイル、ユナイテッド航空のMileage Plusなどがあります。マイレージクラブがないのは一部LCC(格安航空会社)くらいでしょう。提携グループ『スターアライアンス』に加盟する他の航空会社のマイルをANAマイルとして貯めることもできます。
ANAマイルを貯めるためには、まずANAマイレージクラブに入会する必要があります。ANAでは、下記のようなクラブカードがあります。
ANAマイレージクラブカード(AMC)
入会手数料・年会費ともに無料のマイレージ会員カードです。マイルを貯める以外にも、Edy機能を付けることもできます。
ANA VISAプリペイドカード
プリペイド機能付きのマイレージクラブカードです。カードは3色から選ぶことができます。ANA VISAプリペイドカードの発行元は三井住友VISAで、日本国内だけでなく海外のVisa加盟店で使うこともできます。プリペイドカードはクレジットカードとは違って未成年でも申し込みことができます。海外旅行や留学する子どもさんに持たせれば、銀行口座を開設する必要がなくオンラインで入金できますので、急に現金が必要になっても安心です。
またANA VISAプリペイドカードには「オールチャージ型」と「チャージ限定型」があります。
ANAカード
クレジット機能が付いているマイレージクラブカードです。一般のクレジットカードと同様に、プレミアム(プラチナ)カード・ゴールドカード・一般カードのクレードがあり、国際ブランドはVisa, Master, JCB,ダイナース, アメリカン・エキスプレスから選ぶことができます。ANAカードは1枚しか持てないわけではなく、クレジットカードの審査に通りさえすれば、複数のANAカードをグレード・ブランド別で持つことができます。ANAカードを複数所持する場合は、ANAカード枚数分のマイレージクラブ番号が発行されますので、飛行機の予約を一本化するためには親番号を設定しておきます。
ANAマイルの貯め方について
ANAマイルを貯めるには下記の方法があります。
1.ANA自社便・スターアライアンス加盟社便に乗った際に、距離とチケットステータスに応じてフライトマイルが貰える
2.ANAプリペイドカードまたはANAクレジットカードで決済した金額に応じてマイルが貰える
3.ポイントサイトでFX口座を開設したり、モニターを受けたりして得たポイントをマイルに替える
大きく分けてこの3つです。
1のフライトマイルは、飛行機に乗る機会が少ない人でもご存知かと思います。飛行距離が長ければ長いほど、また運賃が高額であればあるほどフライトマイルはたくさんもらえます。また、後述するANAダイヤモンド・プラチナなどのプレミアムメンバーであれば、さらにボーナスマイルが加算されます。
2のANAカードでの決済利用ですが、利用している人は多いと思います。基本的にANAカードでの決済金額100円ごとに1マイルが貰えます。ANAカードの入会キャンペーンを行っている時にはANAカード入会特典として1,000〜10,000単位のボーナスマイルが貰えることもあります。
ANAマイルを貯めるとできること
では、マイルを貯めるとどんなことができるのでしょうか。代表的なものを挙げてみましょう。
・国内・国際線の特典航空券に交換することができる
・ホテルやレストランなどで使えるクーポンに交換することができる
・スカイコインに交換して航空券購入費に使うことができる(交換比率:AMC一般会員1.2倍~ダイヤモンド会員1.7倍とステータスによってスカイコインの交換比率は異なっています)
・ANAセレクションで好きな商品に交換することができる
上記の中でも、特典航空券はかなりお得です。無料で飛行機に乗ることができるのは、旅行好きの人はもちろんですが、帰省等で飛行機を利用する機会がある場合にも嬉しい特典ですね。
以上のように、ANAマイルを貯めることによって様々な特典を受けることができます。
それではANAカードの「プレミアムポイント」は、マイルとどう違うのでしょう。
ANAプレミアムポイントとは
ANAプレミアムポイントを貯めるには、まず上記のいずれかのマイレージクラブカード会員にならなければ、ANAマイルだけでなくプレミアムポイントを貯めることができませんので注意してください。
プレミアムポイントとは、1月~12月の1年の間に搭乗したANAグループの飛行機や、スターアライアンス加盟航空会社の飛行機の利用分について、マイルとは別に加算されるポイントのことです。「PP」と略して表示されることもあります。
獲得したANAプレミアムポイントの数に応じて、翌年度のANAプレミアムメンバーのステイタスが決まります。ANAプレミアムメンバーとは、ANAの上級会員のことです。
ANAプレミアムポイントがANAマイルと一番大きく異なっていることは、貯まったANAプレミアムポイントを何かに交換したり使ったりすることができないということです。ANAプレミアムポイントには、ANAマイルのような金銭的な価値はありません。どれだけ飛行機を利用したかを示す指標のようなものと理解しておきましょう。
またANAマイルの有効期限は3年間ですが、ANAプレミアムポイントは年間(1月~12月)で積算し、翌年度には繰り越されないという点でもマイルとは異なっています。つまりANAプレミアムポイントは、どれだけ貯めても翌年1月にはゼロになります。
ANAプレミアムポイントとANAマイルの交換や合算はできません。ANAマイルを使って特典を申し込んでも、ANAプレミアムポイントは引かれません。ANAプレミアムポイントとANAマイルは、まったく別物で独立したシステムになっています。
ANAプレミアムポイントの貯め方について
ANAプレミアムポイントを貯める方法は、ANAの飛行機に乗ることだけです。
ただしANAが運行している飛行機でなくてもANAプレミアムポイントを獲得できること場合もあります。具体的には、ANAグループ便またはスターアライアンス加盟航空会社運航便を積算対象運賃で利用して、なおかつ対象便のフライトマイルをANAマイレージクラブに登録すると、ANAのプレミアムポイントを貯めることができます。
例えば、ユナイテッド航空に乗った場合、マイルをUAのマイレージクラブ「Mileage plus」ではなく、ANAマイレージクラブに貯めると、ANAのプレミアムポイントとして加算されるということです。
ただし気をつけなければならない点が1つあります。
ANAプレミアムメンバーになるためには、積算されるANAプレミアムポイントの半分をANAグループ便搭乗で獲得するということが条件です。つまり、プラチナ会員になるために必要な50,000PPのうち最低25,000PPをANAグループ便への搭乗だけで貯める必要があるということです。
ANAプレミアムポイントを貯めるメリットについて
ANAプレミアムポイントを貯めると、ANAプレミアムメンバー(ANA上級会員)になることができます。ANAプレミアムメンバーは、ANAのお得意様であり、ANAの飛行機を利用する際にさまざまな特典を受けることができます。
しかしANAプレミアムポイントは1年で0になりますので、ANAプレミアムメンバーとしての身分は原則1年だけで、毎年ANAプレミアムポイントを貯め続けなければANAプレミアムメンバーとしての身分を維持することはできません。
そのANAプレミアムメンバーとしての身分を、ANAプレミアムポイントを貯め続けることなく手に入れる方法が、スーパーフライヤーズカード(SFC)会員になることです。
スーパーフライヤーズカード(SFC)会員になるためには、ANAプレミアムポイントを50,000ポイント貯めて、まずプラチナ会員になり、さらにプラチナ会員だけが申込みできるクレジットカードを入手します。この過程が「SFC修行」と呼ばれているものです。
まとめ
ANAマイル
ANA特典航空券などに交換できる金銭的価値のあるポイント
ANAの飛行機に搭乗するだけでなく様々な貯め方がある
ポイントサイトの利用で大量のANAマイルを貯めることができる
ANAマイルの有効期限は原則3年
ANAプレミアムポイント
ANAプレミアムメンバーになるためのポイント
マイルとは違い何かに交換できるわけではない
年が代わるとリセットされてゼロになる
ANAプレミアムポイントは飛行機に乗ることでしか貯まらない
スーパーフライヤーズカード(SFC)会員になるために(「SFC修行」)必要なポイント
以上、ANAマイルとANAプレミアムポイントの違いについてみてきました。ANAマイルとANAプレミアムポイントは、ANAの飛行機に乗れば貯まるという点で共通していますが、まったく内容が違うポイントです。これからANAマイルを貯めよう、あるいはANAプレミアムポイントを貯めてSFC修行をしようと考えている人は、このANAマイルとANAプレミアムポイントの違いを理解することから始めましょう。
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