飛行機に多く乗る人を対象に、航空会社が特別なサービスを提供するシステムがあります。この特別なサービスを提供すシステムは、一般的に「ステイタス」「上級会員」などと呼ばれます。日本国内の航空会社では、JALとANAが、このサービスを提供しています。
ANAでは「ANAプレミアムメンバー」といわれます。ANAプレミアムメンバーには、3つのランクがあります。
今回はこのANAのプレミアム会員になるにはどうすれば良いのか、ANAのプレミアム会員になると、いったいどんなサービスを受けられるのかなどをみていきましょう。
ANAプレミアムメンバーになるには
ANAのプレミアム会員になるためには、ANAの飛行機に乗って「プレミアムポイント」を1月1日から12月31日までの1年間で、一定基準まで貯めることが必要です。
「プレミアムポイント」を貯めるには、まず下記のいずれかのマイレージクラブカード会員になる必要があります。このマイレージクラブカードは「プレミアムポイント」だけでなく、ANAマイルを貯めることもできます。
ANAでは、下記のようなマイレージクラブカードがあります。
ANAマイレージクラブカード(AMC)
入会手数料・年会費ともに無料のマイレージクラブ会員カードです。「プレミアムポイント」やマイルを貯める以外にも、Edy機能を付けることができます。
ANA VISAプリペイドカード
プリペイド機能付きのマイレージクラブカードです。このプリペイドカードは3色から選べます。ANA VISAプリペイドカードの発行元は三井住友VISAで、国内だけでなく海外のVisa加盟店で使うことができます。プリペイドカードはクレジットカードとは違って未成年でも申し込むことができます。海外旅行や留学する子どもさんに持たせれば、銀行口座を開設する必要がなくオンラインで入金できますので、急に現金が必要になっても安心です。
ANAカード
クレジット機能が付いているマイレージクラブカードです。一般のクレジットカードと同様に、プレミアム(プラチナ)カード・ゴールドカード・一般カードのクレードがあり、国際ブランドはVisa, Master, JCB,ダイナース, アメリカン・エキスプレスから選ぶことができます。ANAカードは1枚しか持てないわけではなく、クレジットカードの審査に通りさえすれば、複数のANAカードをグレード・ブランド別で所持することができます。ANAカードを複数持つ場合は、ANAカード枚数分のマイレージクラブ番号が発行されますので、飛行機の予約を一本化するためには親番号を設定します。
「プレミアムポイント」の貯め方
「プレミアムポイント」は、ANAグループ便にマイル積算対象運賃で搭乗した場合に積算されます。注意する点は、日本国内線で、エア・ドゥ、ソラシドエア、スターフライヤーなどが運航するANAのコードシェア便であれば、ANA(NH)便名で予約、搭乗した場合のみ「プレミアムポイント」の対象になります。ANAや他社のウェブサイトから航空券を予約・購入する時などは、注意して下さい。
マイルの交換で入手できる特典航空券は、国内線・国際線ともフライトマイルの積算対象外で「プレミアムポイント」も積算されません。
ANAグループ便以外でも、ANAが加盟する航空連合「スターアライアンス」のコードシェア便などに搭乗すると「プレミアムポイント」が貯まります(一部例外あり)。「プレミアムポイント」は飛行機に乗ることでしか獲得できません。
「ANAプレミアムメンバー」は3ランクある
ANAプレミアム会員には、一年間で貯めた「プレミアムポイント」数に応じて、3つのステイタスがあります。
■ ダイヤモンドステイタス(プレミアムポイント100,000ポイント以上)
■ プラチナステイタス(プレミアムポイント50,000ポイント以上)
■ ブロンズステイタス(プレミアムポイント30,000ポイント以上)
ANAプレミアム会員の最上位にあたる「ダイヤモンドステイタス」に到達するには、1年間(1~12月)で、100,000プレミアムポイント以上を貯め、その100,000プレミアムポイントのうちANA便の利用が50,000プレミアムポイント以上あること、が到達条件です。
例えば、東京=大阪を一般席・普通運賃で片道利用した場合に貯まるプレミアムポイントは、およそ1000ポイントです。ですから100,000プレミアムポイントを貯めるには、この区間を1年で片道100回か往復50回、1ヶ月に4~5回、ほぼ毎週欠かさず搭乗する、という計算になります。よく飛行機を利用して出張するビジネスパーソンでも、なかなか難しい数字ではないかと思います。
プラチナステイタスとブロンズステイタスになると、もう少しハードルが下がりますが、それでも、毎月飛行機を使って出張する、海外にも出張する人、旅行をする人のほうが、ステイタスを獲得しやすいでしょう。
プレミアム会員の特典について
ANAプレミアムメンバーになると、空港や飛行機内で、一般の搭乗客とは異なる手厚いサービスを受けることができます。プレミアム会員のダイヤモンドステイタスのサービスをいくつかみてみましょう。
■ フライトボーナスマイルが115~130%アップする
■ 未使用分のマイル有効期限が延長される
■ 予約時の空席待ちを優先してもらえる
■ 特典航空券を優先で利用できる
■ ANA国内線座席指定が優先される
■ 優先チェックインカウンターが利用できる
■ 空港での優先搭乗、専用保安検査場が利用できる
■ 手荷物の優先取り扱い、手荷物許容量が多くなる
■ 空港ラウンジの利用
プレミアム会員になると「マイルが格段に貯まりやすい」「特典航空券が取りやすくなった」「(国際線長距離便で人気の)エコノミークラスの最前列が座席指定できる」「空席待ちで真っ先に名前を呼ばれる」など、空港や機内で、一般の搭乗客よりも優遇されます。
以上のように、ANAプレミアムポイントを貯めると、ANAプレミアム会員になることができます。ANAプレミアム会員は、ANAのお得意様であり、ANAの飛行機を利用する際にさまざまな特典を受けることができます。
しかしANAプレミアムポイントは1年で0になりますので、ANAプレミアム会員としての身分は1年間だけで、毎年ANAプレミアムポイントを貯め続けなければANAプレミアム会員としてのステイタスを維持することはできません。
そのANAプレミアム会員としてのステイタスを、ANAプレミアムポイントを貯めることなく手に入れる方法が、スーパーフライヤーズカード(SFC)会員になることです。
「ANAスーパーフライヤーズカード(SFC)」会員について
スーパーフライヤーズカード(SFC)会員になるためには、ANAプレミアムポイントを50,000ポイント貯めて、まずプラチナ会員になり、さらにプラチナ会員だけが申込めるクレジットカード(ANAスーパーフライヤーズカード)を所有します。この過程が「SFC修行」と呼ばれているものです。
このクレジットカード(ANAスーパーフライヤーズカード)は年会費は有料ですが、一度このANAスーパーフライヤーズカードを所有して年会費を支払い続けると、上記の空港や機内での特典をほぼ一生受けることができます。ですから、ANAのステイタスの獲得を狙う人にとっては、まずプラチナ会員になることが、ひとつの目安になるともいわれています。
まとめ
ANAのプレミアム会員になるためには、ANAの飛行機に乗って「プレミアムポイント」を一定基準まで貯めることが必要です。ANAプレミアム会員には、一年間で貯めた「プレミアムポイント」数に応じて、3つのステイタスがあります。ANAプレミアム会員は、ANAの飛行機を利用する際にさまざまな特典を受けることができます。
しかしANAプレミアムポイントは1年でリセットされ0になりますので、ANAプレミアム会員としての身分は1年間だけで、毎年ANAプレミアムポイントを貯め続けなければANAプレミアム会員としてのステイタスを維持することはできません。
そのANAプレミアム会員としてのステイタスを、ANAプレミアムポイントを貯めることなく手に入れる方法が、スーパーフライヤーズカード(SFC)会員になることです。
ANAのプレミアム会員は魅力的ですが、1年間のみのステイタスでプレミアムポイントを貯めなければ維持できないのはかなり大変ですね。ANAのプレミアム会員をめざすのであれば、やはりANAスーパーフライヤーズカード会員を目標にしてはいかがでしょうか。
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