クレジットカードを利用している学生さんは30万円以上の限度額を設定してもらうことができるのでしょうか。
クレジットカードを利用している学生さんの中には、30万円以上限度額が欲しいと思っている方も多いようです。
残念ながら、クレジットカードで学生さんが所持するカード1枚の限度額は、どのクレジットカード会社であっても最高30万円に設定されています。たとえアルバイトをしていて年収100万円〜200万円ほどある学生でも、クレジットカードの限度額が40万円や50万円になることはありません。また、実際に学生さんの所持するクレジットカードの限度額は10万円程度に設定されることがほとんどです。
しかし学生のクレジットカードの限度額が最高30万円では不便に感じることもあるでしょう。例えば、海外旅行や留学をするとき、また高額な買い物をするときなどです。
そこで今回は、クレジットカードを利用している学生さんが限度額を実質的に30万円以上に引き上げる方法についてみていきましょう。
具体的には「2枚目のクレジットカードを作る」「家族カードを所持する」です。
クレジットカードを学生が所持する場合30万円が最高の限度額である
学生がクレジットカードを持つ場合30万円の限度額が上限
「実質的に学生カードの限度額を30万円まで引き上げる方法」について考える前にに、なぜクレジットカードの学生カードの限度額が30万円までなのかについて説明したいと思います。
学生が所持するクレジットカードの限度額が最高30万円である理由は、割賦販売法(法律)により「クレジットカードの限度額は、その人の年収等から支払い可能であると判断できる金額でなければならない」「限度額30万円までなら、年収等に一切関係なく設定することができる」と規定されているからです。
ですのでクレジットカードを無収入の学生が所持することができる理由は、上記の「限度額30万円までなら、年収等に一切関係なく設定することができる」という法律を根拠として、各クレジットカード会社は学生向けクレジットカードを発行しているからです。
「それならアルバイトで収入がある学生であれば、クレジットカードの限度額が30万円以上になることもあるのではないか」と思われたかも知れませんが、割賦販売法でいう「年収等」とは、社会人(正社員)の給料のような毎月安定した収入を指しています。アルバイトを正社員と比べると月々の収入は不安定であるという理由で、アルバイトは安定した収入があるとはみなされません。そのため、クレジットカードの限度額の設定ではアルバイトの収入は年収として計算されることはありません。
2010年11月まではこの「割賦販売法」ような規制が有りませんでしたので、クレジットカード利用の実績(クレジットカードを利用して支払期日どおりに支払う)を積み上げることにより、職業や年収に関係なく限度額を上げることができました。しかし現在では職業や年収が変わらない限り、クレジットカードの限度額を上げることは難しいようです。
また学生カードの限度額はあくまでも「最高」が30万円です。ですから必ずクレジットカードの限度額が30万円になるとは限りません。5万円や10万円、20万円などになることもあります。クレジットカードの限度額は、申込時にクレジットカード会社が行う審査により決定されます。そしてクレジットカード審査に通過した人全てのクレジットカードの限度額が30万円になるわけではありません。
なおクレジットカード審査の基準については、各クレジットカード会社ともに公開していません。
30万円以上は一時的な増枠もできない
クレジットカードには、限度額の「一時増枠」というものがあります。
「一時増枠」とは、海外旅行や高額な買い物をするときだけ一時的にクレジットカード限度額を上げてもらうことです。
普段のクレジットカードの限度額が30万円でも「一時増枠」であれば30万円を超えることができるのではないか、と思うかもしれませんが、上述のの割賦販売法により、一時増枠引であっても学生のクレジットカードの限度額を30万円以上にすることはできません。
逆に今現在学生さんが所持しているクレジットカードの利用限度額が30万円より少なく設定されているのであれば、一時的に30万円までなら限度額を引き上げることができるかもしれません。お手持ちのクレジットカードの会員専用サイトから、またクレジットカード会社に電話で連絡をして一時増枠を申し込むことができます。ただしクレジットカードの限度額の増枠にも審査がありますので、必ずしも増枠してもらえるわけではありません。
このように一時的な限度額の増枠であっても、限度額を30万円以上にすることはできません。しかし普段のクレジットカードの限度額が30万円未満であれば、一時的に限度額を引き上げてもらえる可能性はあります。
学生のクレジットカードの限度額を実質的に引き上げる方法について
ここまで、法律によって学生さんが所持するクレジットカードでは限度額を30万円を超えて設定することができないことが分かりました。また、学生の所持するクレジットカードでは一時的な増枠であっても限度額を30万円を超えて設定することはできません。
そこで、次に複数のクレジットカードを持つことで、実質的にクレジットカードの限度額を30万円以上にする方法についてみていきましょう。具体的には「2枚目のクレジットカードを持つ」「家族カードを利用する」です。これらのクレジットカードを持つことによって、クレジットカードの限度額を増やすことができます。
1.2枚目のクレジットカードを持つ
まず1つ目は「2枚目のクレジットカードを持つ」という方法です。上記で法律によってクレジットカードの限度額は学生の場合30万円を超えることはできないことが分かりました。しかしこれはクレジットカード1枚の話です。学生さんが限度額30万円のクレジットカードを既に持っていたとしても、2枚目のクレジットカードを申し込み、審査通過し所持することは十分に可能です。
例えば、1枚目のクレジットカードの「三井住友VISAデビューカード(学生専用)」に申し込み、その限度額が30万円だったとしましょう。その後「学生専用ライフカード」にも申し込むと、限度額は10万円でした。これでクレジットカードの限度額は合計で40万円にります。
気をつける点としては、2枚目に申し込んだクレジットカードは、1枚目のクレジットカードより限度額が低く設定されることです。クレジットカード会社はクレジットカードの申し込みがあったとき、申込者の所持しているその他のクレジットカードの利用状況、支払状況を知ることができます。ですからクレジットカード会社は2枚目のクレジットカードにあまり高額の限度額を設定すると、利用代金を支払ってもらえなくなる可能性が高くなると考え、限度額は低めに設定されます。ですから新しいクレジットカードの申し込みごとに限度額が30万円ずつ増えるというわけではありません。
このように、2枚目のクレジットカードを所持することにより、学生さんでも実質、限度額30万円以上クレジットカードを利用することができるというわけです。
2.家族カードを利用する
2つ目の方法は、親のクレジットカードの「家族カード」を利用するというものです。
家族カードとはクレジットカードの追加カードで、家族カードの利用代金は親が一括して支払います。そして親のカードと家族カードを合わせて、親のクレジットカードに設定されている限度額まで利用することができます。つまり親のクレジットカードの限度額を一緒に使うことができるというわけです。学生さんの親御さんであれば、職業や年収にもよりますが、多くの場合クレジットカードの限度額は約50万円〜100万円に設定されてるでしょう。
この場合、学生さんの限度額はどうなるかというと、例えば、自分名義の学生のクレジットカード(限度額30万円)と、家族カード(限度額50万円)を持っているとします。親がクレジットカードを10万円利用している場合、残り40万円分は家族カードで利用できますので、合計で限度額は70万円になります。
ただし注意点として、家族カードは親(クレジットカード所有者)しか申し込みできません。家族カードは親のクレジットカードの追加カードですので、家族カードが欲しい場合には親御さんに家族カードの申し込みをお願いする必要があります。
また、家族カードの利用代金は親が支払うことになりますので、家族カードの使い道は親の知るところとなります。そして家族カードの利用代金は親の名義の口座以外から支払うことはできません。ですので自分のクレジットカードと同じように利用するには適していないともいえます。
以上のように自分の学生向けクレジットカードと合わせて親の家族カードを持つことも、学生さんがクレジットカードの限度額を増やす方法です。
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